保険 アリコ

moon in the noon

http://mistybluerose.jugem.jp/
<< October 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
本気

まあまた海辺の人です。

ほんとごめんなさい。

 

おととい少しLINEのやりとりをしてて

酔ってたのかな、なんかあったのかな仕事で

そこはよくわからないけど

夜、LINEの返しが

あまりにそっけないというか

本人にも何度も言ったことあるんですが

泣きたくなるくらい冷たい否定的な返信で

 

ひとつは取り寄せした航空無線を聞く機械のことで

彼はもう30年近くあつかってるから

そりゃ詳しいわけなんですよ。

ちょっと言ったことから

もうありえないくらい馬鹿だってことを言われ

もうひとつは私の身体的なことで

いままでもさんざんいろいろ話してきたのに

今回は、自分の好みに寄せられたくないから

勝手にしろ、知るか!的な発言で

 

何回読んでも憤りがおさまらず

朝になってもまったく気持ちが静まらず

書いたんです。

 

これって私の思い過ごしかしら?

私、あなたなんかに本気にならない。

てか、私は、誰にも本気にならない。

 

そうあってほしいとは思っているでしょう。相手も。

ただ、これをズドンとまっすぐ言われたら

おそらく、びっくりするっていうかショックだとは思います。

私、結構、この人にはこのレベルのこと

何度も言っています。

終わったら終わったでいい。

後悔しないレベルでいつもまっすぐ向き合ってます。

 

恋愛の話を誰かとすることもほぼなく

そうね

ここでいう亡くなった彼女とくらいだったかな。

 

私と彼女の恋愛はほんと似ていて

互いに自分の話を聞いてるみたいで

でも、結局、彼女は

恋愛の疲れで、自死したわけで。

私もそうなんです。

彼女みたいにめいっぱい入れ込むと

毎回幾度も未遂して、結局毎回死ぬしかなくて。

命、いくつあっても足りない。

 

だから浮気されようが借金しようが

どうぞご自由にみたいな感じで。

 

腹は立つんですよ。

でも刀を鞘から抜くわけにいかないんですよ。

相手どころか自分も切り裂くしかないから。

そんなにさ、毎回命かけられないじゃん?

 

私が、不倫だの、彼女持ちだのと

なんとなくそうなっちゃうのは

相手が本気にならないからなんじゃないかって

今回、思いました。

 

私は運が悪くそういう人にしか出会わない、恋におちない。

そう思ってたんですが

海辺の人とこうなって思ったんです。

私、別に、この人に強制されてはいない。

逆に、もううるさい!ってくらい何回も確かめられて

 

そうか、私、本気になられない相手を

自分の意志で選んできたんだなって。

 

そして自分も本気にならない、なれない。

むなしいっていえばむなしいんですが

いきるため?いきていく知恵?

自殺願望がおさないころからあった私が

ここまで生き延びてきたのは

こういう咄嗟の無意識の回避術と

たくさんの友達、大事な人の死でした。

 

どうして私だけこうやって生きていかなきゃいけないのかは

私も、まだ、わかりません。

* つぶやき…(つぶやき…) * 21:32 * - * -
まあいろいろ

ひとりビジネスホテルの部屋にいます。

お酒飲んでます。

足りなくて

さっき買い足してきました。

夜の空気が気持ちよかったです。

 

生きてきていろいろあったけど

まだまだ経験してないことがあるんだなって

深く感じ入っております。

 

ひとつ前のブログに

海辺の人との今後は

書くとも書かないとも決めていない。

とは書きましたが

本音は書かないつもりでした。

 

でも

あまりの衝撃に

書かずにはいられない状況で。

 

LINEがね

途中で切れてるから

あっちの返信がないから

これから先のことはわからないの。

でも、今の私の気持ちを

やっぱり残しておこうと思って。

 

まあ、前回のブログを読んだ方なら

だいたい予想はついているでしょうが

私たちは、昨夜関係を持ちました。

別にそこは普通。

いつもどおり冗談いいながら

楽しい時間でした。

何回も話してたお風呂も一緒に入って

笑って、ふざけて、楽しかった。

 

やだ。急に泣けてきた。

 

前回も大雨の車の中で

軽くおとなの時間があって

で、その時も

そしてこうなる前のLINEでも

なんかおかしいなって思ってはいました。

 

海辺の人は

キスをしませんでした。

今日はさすがに直接聞こうって思いました。

でも、一緒な時間は別にいい時間だったので聞きませんでした。

どうして?と思いながらも打ち消すような時間でした。

 

彼をビジホへ送って

自分のビジホの駐車場へ車をとめて

お酒やおつまみを買って

駅前の大きな交差点は信号がなかなか変わらなくて

目の前の若いカップルがキスしたんです。

そしたら、なんかすごくみじめな気持ちになって

自分のビジホから彼のビジホへLINEして聞いちゃったんです。

 

私だからできないんだって思ったんです。

ほんとかどうかはわかりません。

彼はひとつ送信取消をし

直後に、潔癖でできない。

私とだけではなくて、誰ともできない。

そう返信がきました。

 

ここに書いたことあるんだっけかな。

海辺の人には、ほんとは彼女がいるんです。

海辺の人が離婚するより前からつきあってる

相当いれこんでいる彼女が。

ただその彼女は既婚で

海辺の人も、待ってるような待っていないような

そんな時に私にめぐりあいました。

 

つい最近、その彼女とレスだって聞きました。

レスかどうかは知らなかったけど

私が知ってる限り

LINEの時間からしたら

ここ3ヶ月の私が知ってるだけでも

2〜3回も会ってない気がします。

 

こうなる前からLINEでは

自分を受け入れてくれるかと何度も聞かれました。

詳細は書いてないんです

でも、私の性格からしたら

相手を好きになれば

たいていのことは受け入れられる。

 

彼が何度も何度も

LINEの中で私を試し

ここまで来て。

 

前回の車の中でも

ほんとにいいの?俺なんかと?

何度も何度も言いました。

 

今、LINEしました。

気持ちの整理はつきました。

また会ってもらえますか?って。

もちろんこんな時間だから

相手は寝てるって思うんです。

返事は悲惨かもしれません。

相手にも気持ちがあるのはわかるし

でも私だって気持ちがあるし。

 

サイトの熱い書き込みは消しました。

少し泣いたから落ち着きました。

 

はじまったばかりの私たちの時間は

こうやって幕を開けました。

 

まあ、もしかしたら

今日の朝には終わってるかもしれないけどね(笑)

* つぶやき…(つぶやき…) * 02:30 * - * -
海 逢瀬

先週の木曜日

海辺の人に逢いました。

 

3日の日、ほんと急に

会いたいみたいになって。

 

でも、もうこのやりとり

飽きるくらい繰り返してて

もうね、ほんとやめようや!この冗談

て、夜にでも書いてLINEおとそうって思って

既読スルーしたんですよ。

 

そしたらそのあと画像送信されてて

この流れで画像てなんなん?って思ってみたら

今撮りましたっていう写真。

マスクしてると自分でもいいおとこだと思うという冗談。

 

頼んでもいないのにわざわざ写真撮るなんて

この人逆立ちしてもない話で

どうしたら本気だって思ってもらえるか

あの既読スルー後に考えたんだなって思って。

 

それでももう疑心暗鬼の私はまだ疑っていて

どうしたらいいものかと思い

あ、そうだ!LINEの電話あるじゃん!て気づき

今、電話していい?って聞いて

そしたらたまたま飲み会だったみたいで

あ、失礼しました!と言った直後

おーこれはチャンスじゃん!と

超超超無口なこの人が少しでも話すとしたら

これは酔ってる今がチャンスやんて。

 

だいたい飲み会は11時過ぎくらいまでなのさ。

帰宅時間にあわせてこっちも少しお酒あおって

ベッドで待機。

案の定、いつもの時間位に飲み会終了。

LINEで私とメールしながら彼は帰宅。

その直後、私30分くらい寝ちゃって(笑)

通知オンにしてあるからかかってきたらわかると思ってた。

なのに、おい!なんだよ!電話してくれ頼んだのにて

あわててLINE。起きてる?

起きてるけどはずかしくて電話できないと言う。

あほたれ、今を外していつ話すんだ。

かけるよ!

しばらくとらない。まじで早くとれや。

まあなんとか電話でてくれて照れながらも話して

気がついたら1時間20分も経ってた。

会ってどうするのか

ほんとに会いたいのか

なんとなくざっくりこのへんを話して。

 

私がたしかめたかったことは

結構シンプルなことであり

しかし最重要なことだった。

 

会ってこれから先なにかあって

いままでの関係性がわるくなるのなら

やっぱり会わない、いやだと伝えた。

戦闘機のこと、管制無線のこと、いろいろ聞きたいことがある。

つまんないつまづきで、この関係をこわしたくなかった。

それはない。即答だった。もちろんみじんもふざけていない。

そう。私が確認したかったのはこれだった。

この感じはやっぱりメールの文字ではわからなかった。

何度も聞いたが、即答。同じニュアンス。

わかった。じゃあ会ってもいい。会おう。

 

これから先の数日は

会ったらこういうことをしたいだのしようだの

打ち合わせがすぎるくらいで。

会うのを8日と決め

それでも直前はお互いナーバスで

LINEの文字も少なめで

 

8日、大雨の予報で

無理なくとは言われたものの

ずいぶん雨は小降りになり

予定通り逢い。

 

彼が仕事で宿泊しているところへ迎えに行き

車をとめて話せる場所を探し

近隣にないから海へ行こうってなって

私の車の助手席に乗った第一号のこの人に

ナビってもらいながら海へ移動。

ものの10分くらいで到着。

海が見える大きな駐車場。

雨が強くなってきた。

ほとんど誰もいない。

大きな白い波がうねっている。

カーステレオからは

私がセレクションした80年代90年代の洋楽。

ミドルテンポを選んだ。

相手も洋楽をよく聴くと言ってた。

その曲を聴きながら

昔の話。恋愛、あそび、

これからの話。仕事、からだのこと

話の起点はいつも彼から。

ためしてるわけではないけど

もし私とのことが真剣だったら

私は100%受け身だから

ぐいぐいこなかったら

進展はないって言ってあったから。

 

この超無口な人がどうするのかとだまって見てた。

一生懸命話の糸口を探す。

ほとんど切れ間はない。

もちろんその糸口を私はたどり話す。

ふたりで笑った。楽しい時間だった。

LINEの感じと、私たちの会話は

さほどかわらない。

 

時間はどんどん過ぎる。

3時間はそこで話したと思う。

会ったらこういうことをしたい。

という行動部分はなにひとつ実現していない。

どうするんだろ?

やっぱじょうだんだったんじゃん(笑)

そう思っていたらいろいろ展開を繰り出してきて

初めの行動をうつした(笑)

それからは互いに照れながらも笑いあい行動をうつす。

ほぼ打ち合わせどおりの行動。

のこりは持ち越しとなった。

 

その持ち越しが今日だ。

今日はなんだか少し蒸し暑い。

明日からは気温がさがるという。

彼がいる街までは1時間半程度。

ただ歯医者やら所用をしながら移動する。

帰りは危険あんど母が不安がるので

ビジネスホテルをとった。

go toで戻りがあるから実質1400円くらいで朝食付。

セミダブルのベッドで少し気分転換。

 

あ、その前の彼との時間は

もうすでに打ち合わせ済みです。

朝からはしゃいでいる単純なヒトです。

私は、不思議なくらい平常心です。

とびこむ怖さや

先々失う怖さは

やっと落ち着きました。

 

私は、今を生きる。

父の早逝。母の病気。友や大事な人の死。

人はいつどう人生が変わるかわからない。

今、こうやって、何が原因かわからなくても

何かがひかれあうふたりが

誰に迷惑かけるわけでもなく

会いたいって気持ちだけで会って

ふたりだけの時間を過ごしても

いいんじゃないかって。

今、今が楽しければいいんじゃないかって。

 

まあ、後押ししたのが

私が敬愛する鏡リュウジ先生のタロット。

ひとりで彼とのことを悩んでいたとき

ほんとうにいろんなタロットしたんです。

まあ、普通な浮き沈みのある結果ばかりで。

あ、そういえば鏡先生!と思ってやってみたら

思ってる以上というか

これ以上ない結果になって

私の迷いは消えました。

 

ブログ的に言うと

まったくこんな展開を

私は思っていませんでした。

 

詳細は、書くのか書かないのか

まだ決めていません。

いつもどおり思うまま気の向くまま

書いていきたいと思っています。

 

では、用事をすませながらいってきます。

* つぶやき…(つぶやき…) * 08:55 * - * -
20200923

私の旅の最終日

ついにきてしまいました。

 

計画当初

どう考えたって

北上から花巻経由して釜石

そしてそのまま南下。

その足での帰宅は、もう困難。

どこかで一泊して帰ろう。

 

そのちょうどいい位置にあった松島。

私がめっきりのめりこんでる戦闘機。

特に大好きなブルーインパルスの拠点。

その基地を見るだけでも

いや、どんな街にあるか知るだけでも。

そう思って宿泊を決めた。

 

私の戦闘機先生である海辺の人が

そんなうす〜い私に教えてくれた。

私がたまたま決めたその日が

ブルーインパルスの上空訓練日だと。

 

私は子供の頃、初代ブルーインパルスを生で見ている。

それは市川の二俣官舎にいた頃。

母親が、キャリアの奥さんと仲が良く

今で言う航空祭なんだと思うが

それに誘ってもらったのだ。

子供ながらにおそろしく遠い場所へ行った気がするのだが

どこで見たかは覚えていない。

ただ、その5機のブルーがあの5色のスモークを出し

目の前の滑走路上空を手が届くほど低く飛び

その轟音は私の両耳を震えさせ振動で体中が痺れた。

私はそれが、恐怖の体験に近く思っていた。

 

専用機マニアの海辺の人との会話をしているうちに

私もひさしぶりに戦闘機見てみっか。ってなって

歯医者の帰りに立ち寄って。

ま、その時、海辺の人が急遽きちゃったわけなんだけど。

それより何より

戦闘機の空気をつんざくような音にすっかり魅了され

心の底から体の奥からざわざわと震えるような快感。

これだよ!これ!

その瞬間から、私の過去のブルーインパルス体験までが

美しくあり得ないほどの特別体験へと変わった。

 

前日の天気予報では雨だった。

雨ではブルーは飛ばない。

私は願掛けも兼ね、他に予定は考えてなかった。

ブルーにだけ、念を集中していた。

 

早朝、いつものように起きる。

カーテンを開けると

地面は濡れているが

雲の合間からは青空が見えている。

いつもぶっきらぼうで

私をからかってばかりの海辺の人が昨日の夜言ってた。

俺が念じるから大丈夫。

くそー。あいつにお礼言うしかない展開じゃん。

 

これならだいぶ確立あがった。

せめて教えてもらったポイントを見てこよう。

基地をみやりながらどんどんたんぼに向かってゆく。

Googlemap共有でもらってるからポイントはわかるが

肝心の滑走路がまったくわからない。見えない。

時間はどうせまだ早い。

ブルーの格納庫も見たいと、反対側をまわると

朝の爽やかな空気のもと

憧れのブルーインパルスが整然と並べられていた。

壮観なんてもんじゃない。ほんとうに潔白で美しい。

戦闘機はいろいろあれど、やっぱり私の中では特別。

ブルーインパルスと書かれた格納庫すら尊い。

夢中でかけより写真をおさめ

これはもうホテルをひきはらってこようと速攻戻る。

 

私はホテルに舞い戻り、軽くモーニングをすませチェックアウトした。

もいちど教わった場所へ行き、車を止め、基地敷地の方へ歩く。

あたりは一面刈り取り前の黄金の稲穂がなびいてる。

黒づくめのドレス風の服を着た私。

まあ浮いてることこの上ない。

ゴールドのアクセサリがかろうじて稲穂にマッチ(笑)

ロングスカートをひるがえしながら

ひとっこひとりいない田んぼを進む。

そこへすーっと機体が着陸態勢で入ってくる。

うそー。さっき格納庫前で見たブルーじゃん!

3機連続で着陸した。あたりには誰もいない。

ひとりじめのブルーインパルス。

それはもう夢のような光景。

唖然茫然としつつも、しっかり動画もおさめた。

着陸したあと、その場所に漂う燃料の香りが私のなにかをまた刺激した。

 

私が茫然としている間も、海辺の人から予定表やらTwitter情報やらが入る。

私は見られればいいなーくらいなお気楽な状態だが

海辺の人は、超真剣。

仕事の合間も無線を聞いている。

私が松島にいるからではなくて

常にこの人は管制無線を聞いている。

この人の心は常に空にある。

身体的な事がなければ空自で定年まで働けたろう。

特別に教えてくれたこの場所で

あの人が目を輝かせて空を見上げる光景が目にうかんだ。

自衛官不適格、旅客機事故にまつわる悲しい経験。

それでも空はこの人を誘惑する。この人も魅了される。

空と飛行機と、相思相愛。

かなうことのない戦闘機パイロットの夢。

趣味のラジコン機、VRのパイロットゲーム。

管制無線5台持ちで仕事と寝る時以外聴いている。

その複雑な心中が、どうしても私のなにかを捉えて離さない。

目いっぱい強がってふざけてばかりいるこの人が

とてつもなく愛おしく思えたあの日。

私のことそっちのけで動画を撮っているその背中。

見ていてなんだか痛々しくて

私ははじめて男性を後ろから抱きしめたいという衝動にかられた。

つらかったね。くやしかったね。でもがんばったね。

もちろんそれをすることはなかった。

今後もないかもしれない。

 

予定時間、私はその彼との秘密の場所で

憧れのブルーインパルスを堪能し

終わった瞬間に、また来よう!と心して

初めての高速に乗り、家路についた。

 

旅の途中の私のスマホのLINEには

応援、励まし、心配。

スマホの中の大好きな人たちと一緒だった。

そんな貴重な貴重な旅でした。

私はひとりじゃない

さみしくなんてない。

休憩時間にみるスマホの文字で笑い

私はその微笑みのまま車を走らせた。

二度とくることがないと思って走り出した車は

また来てもいいかなと思えるくらい

気持ちが軽くなった旅となった。

* つぶやき…(つぶやき…) * 06:01 * - * -
20200922

私の朝はいつも早い。

駅前にあるホテルのカーテンを開ける。

空は青く、雲がふんわりとかかっている。

新幹線のホームが見える。

 

昨日バーテンに聞いた

かつてプラザホテルがあった場所を見にいった。

外は寒く、まだ誰も歩いてもいない。

分譲マンション建築中だという。

ホテルの自動ドアを出、右手へ行けば

ほぼその場所は見える。

 

目の前には空きビル。

ここのオーナー兄弟は大のごひいきだったっけな。

 

車の窓は寒くて結露している。

さて、今日は、お目当ての峠越え。

そしてその前にとても大切なことが。

 

目指すは東和町。

亡くなった彼の実家がある場所だ。

 

おそらくまだ実家はそのまま。

私は彼の実家に行ったことがある。

彼との初めても彼の実家だった。

何度も訪れたが、いつしか関係を反対されるようになった。

彼の借金が増え、実家にまで迷惑をかけていたから。

こんなのと別れろ。彼の兄は怒る。

そして私の両親が来た時、その怒りが最高潮となり

彼は私の名を泣き叫びながら兄に羽交い絞めにされ消えた。

みい、みい。。。

私が覚えている生前最後の彼の姿がこれだ。

私の鼓膜にはその泣き叫ぶ彼の声が焼きつき

いつまでたっても、その光景が頭から離れなかった。

その時、私のおなかには彼とのふたりめの娘がいた。

なにがなんでもこの子を守る、産む。

そう思っていたのに、また失ってしまった苦しみは

いつまで経っても癒されることなく私は荒れはてていった。

 

お墓は実家の近くにあるだろうが、聞けない。

何日かかっても寺巡りをして探すかとも思った。

が、ただ、その地へ私が行けば

彼は、私をみつけてくれる気がしてた。

私が死んであちらへ行ったとき

彼に私をみつけてもらえるように

私は、少しでも見た目が劣化しないようにと努力していた。

私のコスメおたく要因のひとつにもなっている。

 

彼の実家はおそらくだいぶ花巻市街地に近い。

ここいらだろうなって思うところがあった。

少し過ぎたあたりで車を止め、急いで写真を撮った。

こんなきれいな街だったっけ?

青々としげった木々が山に盛り盛りとしている。

豊かな水量の川は、その山と里へ実りを与えている。

 

Googlemapで事前に地形を見ていた。

道の駅とうわという所から歩ける範囲で大きめの川があった。

猿ヶ石川だ。

 

その地へ

私たちのひとりめの娘を葬りたいと思ってた。

私が死んだら一緒に、とかいろいろ考えたが

やはり私自身の手で、送ってあげたいと思った。

その大きく豊かな川で、さよならしようって思っていた。

 

地元の人がひとり犬の散歩をしている。

他には誰もいない。

不審そうに、たまに私を見る。

無理はない。こんな所に知らない人は来ない。

 

農道のような通路を行き、思ったとおり川の土手へ。

私はひとり川のほとりを歩く。

しまった。思ったより川幅が広い。

そして、どこからも川へ降りられそうもない。

不思議に思いながらも、私は降りる場所を探す。

 

すると程なく

ダムを放流します。危険だから川から離れるようにという放送が。

これには私もびっくり仰天。

それでも、その川の形状や、土手の様子で納得し

私たちの娘の残したものを、川の方へと置き、しゃがんで手を合わせ

お父さんの故郷だよ。やっと来れたよ。

すっかり遅くなってごめんね。

あーちゃん見てる?明日香だよ。

もう明日香はそっちへ行って3人仲良く一緒にいるかもしれないけど

こうやってお見送りにきたよ。

私は、まだこっちにいなくちゃいけないけど

いつかそっちへ行ったら、笑ってみんなで会おうね。

そんな最中も、危険を知らせるダム放流のサイレンは鳴り響く。

迷う間もなく、私は後ろを振り返りながら大きな道路へと急ぐ。

 

この街はお寺が多いと準備段階で知っていた。

大きな道路へ出たところにも一件お寺があった。

気持ちだけでも手を合わせたいと階段をあがると

目を疑うような光景が。

お地蔵さんが並んでいる。

手作りのそろいのちいさな帽子をかぶる六地蔵。

早朝にもかかわらず新鮮な花が手向けられている。

お地蔵さまに導かれ、私たちの娘は無事にあちらへいけるのか。

なんということだろう。

私の気持ちがずいぶん和らぐのを感じた。

振り返ると、そちらにも赤いお帽子の六地蔵。

 

娘たちをよろしくお願いします。

そう深く願い、私はその地を後にした。

 

ここから先は、私がどうしても来たかった

遠野から釜石へ続く仙人峠だ。

釜石へ向けると、右手に美しいせせらぎがある。

地味ながらも大好きな道。

ここは何回も通った。

岩手内陸部から沿岸へ行くには、そんなにたくさんの道路はない。

とにかくドライブが好きな彼は、この道路を何度も何度も私を連れて走った。

私は彼の車の助手席で、運転席にいる彼の左側の顔ごしにそのせせらぎを見ていた。

彼のきれいな横顔、カセットから流れる矢沢や浜省。

私は彼のお姫様だった。彼の助手席は私の特等席だった。

彼は私が運転するのを知らない。免許をとったのも知らない。

びっくりさせてやろうって思った。

私来たよ。ほら見て。私、運転できるの。

私は空の彼に自慢した。空を見上げて泣き笑いした。

ひとりでこんなこともできるんだって見せたかった

道が細く難所と言われた仙人峠。

私は笑いながらこれだよこれ!っときびきびとハンドルをさばき通った。

 

男に頼らない。自分でなんでもする。

そんな女にはなりたくないって思ってたあの頃の私。

そんな華奢でひ弱だった若い頃の私。

もうあの頃のような美しい細い指ではない。

彼が死守してくれた美しい手指は、もう跡形もない。

気が付けば、こんな年齢になり、二回も離婚しひとりでいる。

それでも働き、自分のために車を買い、こんな地まで運転をしてきた。

知らず知らずに強くたくましくなってしまった。

そんな私を、彼はどう思っているんだろう。

笑っているに違いない。そう思えたから私も笑えた。

 

釜石の街は、住居が高台へ移動している。

仙人峠のずいぶん手前から市街地になり

そこから私は、これもどうしても来たかった

釜石大観音へ向かった。

ここも彼に連れてきてもらった。

見渡す光景があまりにも美しく

その展望台にいる時から、

ここは絶対また来ようって決めていた。

30年以上が経ち、私はその地へひとり出向いた。

その間に彼が亡くなり、あの震災が来た。

震災後、ずいぶん経ってから

私は、この地をGooglemapで見た。

想像はしていたが、それを圧倒的に超えてくる被害状況だった。

この観音様の足元まですべての建物が津波に流されていた。

観音様はどんなお気持ちでここにお立ちになっていたのであろう。

 

観音様のお背中を見ながら上へゆくと

そこには水子の供養塔。

またか、ここもつながってたのか。

私は自分の強い意志のみで今回の旅を決行したと思ってた。

だけど途中からなんか違うんじゃないかって気がしていた。

見えない誰かなのか、知っている誰かなのか

導かれ守られ手を引かれ背中を押され助けられ

ひとり旅なのに、ひとりじゃない。

そんなことをひしひしと感じていた。

 

街は明るく元気で生活感があり、少しではあるが観光風の人もいる。

港は大きく頑丈になり、そこに浮かぶ漁船は大きく新しいものばかり

私が知ってた釜石の街は、製鉄産業もさびれ

街自体が鉄さびたようで、とてもではないが活気があるとはいえなかった

津波はたくさんの大事な命をうばったが

残されたものには新しく便利なものをもたらした。

 

そこから南下し、

1人目の息子を出産した街、大船渡へ寄り

陸前高田の奇跡の一本松を拝見し

三陸復興国立公園へ立ち寄り

明日のブルーインパルスへ向けて東松島へ入った。

 

夜は念願の盛岡冷麺辛み別を

ヤマトという地元の焼き肉レストランで食した。

 

沿岸部を南下して、リアス式海岸の合間にあった

かつて彼と行った砂浜を見ようなどと大それたことを考えていました。

そこで彼が好きな浜省をふたりで聴いていたからでした。

そんな砂浜は、津波対策のため、一切なくなっていました。

私の悲しい思い出は、もっと悲しい出来事でなくなりました。

私が30年もの間、思い出したくないってなかったことにしてた彼とのことは。

津波と一緒に、流れ去って、もう跡形も面影もないんだって

身をもって知りました。

 

 

* つぶやき…(つぶやき…) * 05:40 * - * -
<<2/14pages>>
categories
selected entries
archives
recent comment
recent trackback
blogpeople
links
profile
qrcode