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moon in the noon

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追憶
まずはじめに・・・

今回のエントリはとにかく長いです。。。
お時間とお気持ちの余裕があるかただけにでも読んでいただけましたら幸いです。

このサイトを開くにあたって、はじめにこう書きました。
いままで書いていなかった時期についてと
あとは、どうしても書いておかなくてはいけないこと。

それらは・・・
誰かに受け入れてもらう作業でもなく
誰かに認めてもらう作業でもなく
過去をただ感傷的に思い出す作業でもなく
生きてきた証なんてかっこいいものでもなく

ただただ事実をありのままにつぶやいてみたいだけ。
2006.05.17 なにから・・・より http://mistybluerose.jugem.jp/?eid=1

ブログを休んでいたあの時期・・・
なにか忘れものをしたような・・・そんな気がしてたまらなかった。

思いきって復帰し、何回か勇気を出して書いてみたものの・・・
どうも気が進まず、またそのままここまで来てしまった。

今年こそほんとうに書こう!と、手始めに、いちばん濃厚に思い出された出来事をちょっと書いてみた。
そんなある日、私は夢を見た。12月16日のこと。
その頃書いていた時期に、いちばんたくさん出てくる人。
すごく懐かしい人・・・もう会うこともないだろうし、二度と会いたくもなかった人。

以前、自殺未遂をした話を書いたことがあったんだけど(このログいったんさげてます)
夢にでてきたのは、そのときの失恋の相手だった。

寝ている私の上に、その人は覆いかぶさるようにいた。
なにも言わず、ただうっすら笑みをたたえてそこにいた。
昔からそやった・・・この人はいつもこうやって私を見てた。

懐かしさのあまり、私はその人にふと手を伸ばしてみた。
髪の手触り、頬のあたたかさ、唇の柔らかさ・・・そしてその人の微笑み。
あの頃と、どこもなにもかわっていない。
夢とは思えないほど、すごくリアルだった。
ほんとうにそこにいるかのように感じた。

その人は、なにかを言いたげだった。
どうしたの?なにかあったの?なにかしてほしいの?
心で問いかけたけど・・・なにもわからない。

目が覚めてからも、なんか気になった。

この人のことは、もうとうの昔に忘れてしまったと思ってた。
そんなこの人の感触が自分の中にまだしっかりあったことに、実はかなりショックをうけた。
ただの昔話を淡々と書いてたつもりやったんに、古傷をほじくりかえしてしまったんやろか・・・。
自分で自分を堕とすようなことはやめたほうがいいんちゃうやろか・・・。

そう思いながらも、私の中に鮮やかに蘇ってしまった記憶は消えなかった。

そういえば・・・と、昔聞いたことを思い出した。
夢にでてくるっていうのは、相手が想っているからだと。
視点を変えて、また考えてみた。

あんな生活をいまも続けていたとしたら、なにか困ることだってあるはず。
昔馴染みの私のことでも思い出して、もしかしたらなにかして欲しくて夢に出てきたんやろか。

今回のこの人に限ったことでなく、いままでもこんなことはなんどもあった。
夢にまででてこなくても、突然だれかが気にかかることがたまにある。
風の便りというか虫の知らせというか・・・
しばらくぶりに連絡をしてみて、あぁやっぱり・・・って思ったものだった。
この数日前もかつての友が気になってたら、怪我をしたと知ったばかりだった。

ただ・・・今回はそれらとはちょっと違った印象をもっていた。

この人はとても独占欲が強い人で、自分はほんと好き勝手にあそんでいたくせに
離れると私のことが気になるのか、生霊っていうものになって部屋にいたことがよくあった。
昼間でもそれはくっきりと見えていたほどで、ほんとうに戻ってきたのかとなんども間違えていた。
いつものことやったからもちろんそれに触ったこともないし、とりたてて気にもとめていなかった。

出かけるとすぐに普通に玄関の鍵を開け、引き戸をがらがらと音をたててあけてきていた。
普段その部屋にいるあの人となんらかわりなく振るまい、部屋中を足音をたてて歩いたりしていた。
もちろんそのときの私は起きていたし、このことは相手にも伝えた。こんなんしてたら疲れるんちゃうやろかて。。。
へぇ〜そうなんだぁwって、笑って聞いていたっけ。

霊的なものを感じやすい私ではあったが、生霊っていうのはたぶんこの人のものしか見たことがない。
いまこうやって思いかえしてみれば、もしかしたら相手もそういう力?みたいなもんをもっていたのかもしれない。
お互いに引きあう?みたいな感じで、こんなにはっきりと見えていたのかもしれない。

でも・・・今回の夢にでてきたあの人は、そのときの感じとも違っていた。

なにが言いたいんやろ・・・なにを伝えたいんやろ・・・
考えても考えても・・・ほんとなにも浮かんでこない。
だれかに聞くっていったって・・・こんな長い年月がたっている。
しかもあの頃の私は、その後のあの人の噂すら聞きたくなくて
ただそれだけの想いで、その地で出会った人たちをすべて切り捨ててしまっていた。
どうしたらいいのかわからず・・・ただ途方に暮れた。

次の日も、その人は夢にでてきた。これはほんとうにただの夢やった。
あの人は夜の仕事を辞め、とある職業についていた。
私やあの人の家族、うちの家族が穏やかにそれを見守っていた。

それはたぶん・・・私があのとき、うっすら思い描いていたこと。

22才の私の誕生日、私たちはお互いの家族を交えてこれからの話をしていた。
あんな結果をあの人がだすなんて・・・私も私の両親も思っていなかった。

夢の中のあの人の楽しそうなさまが、かえってもの悲しく感じた。

数日後、またあの人は夢にでてきた。
横たわっている私の上にいる・・・重さはあまり感じない。
いろいろ話したかったのに、言葉はなにもでてこなかった。
あぁ、また来たんや・・・と手を伸ばしてみた。

髪はふわふわと柔らかく、頬はあたたかい。
やさしくおだやかな笑顔。やっぱりあの頃とおなじ。
ただ、この日のあの人は、肩のあたりが素肌だった。
寒いんじゃなかろうか・・・普通にそう思ってたら
自分も素肌で、お互いの肌が密着していてとてもあたたかなことに気がついた。

あの人は微笑んだまま、私の長い髪をやさしくなでた。
いまの私はすごくひさしぶりにかけたパーマで、あの頃とおなじようなヘアスタイル。
そのなでる指先の感触も、もちろんあの頃のまま。

ずいぶん長いこと私たちはそうやっていた。
ずいぶん昔のあの頃のふたりのまんまで。

この日の私は懐かしさをまったく感じていなかった。
いままで空いていたこの長い年月がすっぽりぬけおちたようだった。

あの人はなんにもかわっていなかった。
そういう私も、あの頃となんもかわっていなかった。

まだあたりが暗い中、私は目が覚めた。
からだも心も、なにかに強引に引き剥がされた感じがした。
ぼんやりと目に映っているいつもの部屋が、まるで異空間のように感じた。

私のからだには、あの人のぬくもりや余韻が残っていた。
あたりには、あの人の香りやあたたかさが満ちていた。

あきらかにおかしな体験だった。
こんなことはいままでいちどもなかった。

どうにもこうにも・・・自分を抑えることができなくなってった。
いま確かめないと、私は絶対あとあと後悔する。

とにかくあの地へ行ってみたい。
なにかわかるかもしれない・・・いやわからなくてもいい。
とにかくあの地へ行けば、自分なりに納得するような気がしてしかたがなかった。

ネットで検索をした。
私がかつて働いていた店の名前があった。
あの人が働いていた店と関係ありそうなところもあった。

とりあえず行ってみたい。
しかし家族にはどこからどう話したらいいのかわからない。。。

30日に私は友と忘年会をする約束をしていた。
出掛けに家族と行き違いがあった。
いつものことだからたいして気にもとめず、そのまま出かけた。

楽しい時間を過ごした。おいしい食事もいただいた。
しかし家族のことが気にかかり、一次会で早々に家に帰った。
電車を降り、歩きながら家に電話をした。
家族のあまりにも冷たい対応に、私は心底がっかりしてしまった。

家のドアも開けずに、車のキーを差し込み、国道を北上していった。
この道はなんども通った道。あの人とも通ったことがある。
年末の道路は空いていた。高速の規制を横目にしながら、そのまま国道を進んでいった。

あの関連がありそうな店が31日も営業しているかが気になった。
途中で携帯から電話をしてみた。

鈍い私は、電話をかけてからピンときた。
相手は、私とあの人がお世話になっていた人だった。
こんなに年月が経ち、しかも音信不通のままだったのに覚えていてくれていた。
ほんとうれしかった。とってもありがたかった。

店に電話したこともあって、まわりくどいことは話せない。
単刀直入にあの人のことを聞いた。
もうすでに亡くなっていると聞かされた。
だいぶん前に仕事中に転落事故で亡くなっていたそうだ。

あぁ・・・やっぱり・・・。思わずそう呟いた。

もしかしたらそうかな?・・・となんとなく感じてはいた。
でも、ひょっとしたら会えるかもしれないって・・・やっぱどっかうっすら思ってた。
そのちっぽけな希望?すらなくなってしまって、かるぅく気が抜けた。
こうやって電話口でいとも簡単にわかってしまったことにびっくりしつつも、私はあの街へ車をひたすら走らせた。

とある病気だったことも、私はこの電話で初めて聞いた。
あの頃からこの病を抱えていたんやろか・・・。。。

あの人はなんども口にしていた。自分は早く逝くだろうと。
この人の父親は、この人が生まれてすぐ亡くなっていた。
そんなことを自分に重ねあわせて、ただそう言っているのかと思った。
私は、そんな話をもちろん笑顔で否定していたが
この人の未来っていうのが・・・実はまったくみえてこなくて気にはなっていた。
もしかしたら、なにか予感めいたものを本人は感じとっていたのかもしれない。

そして、別れた頃のあの人は、酷く顔色が悪く、とにかく荒れて自暴自棄になっていたのを思い出した。
このときすでにじわじわと体を蝕んでいたんやろか・・・
本人はもうわかってたんやろか・・・
なんでなんも言ってくれんかったんやろ・・・
あのときどうにかしていれば、こんなことにはならなかったんやろか・・・
いまさら考えてもしかたないことなんだが、そんなことがちらっと頭をかすめた。

車を走らせながらも、わけもなくぽろぽろと涙がこぼれた。
なんで?どうして?しかも、そんな前に・・・。
なんでいままでなにも感じなかったのか・・・それが逆にふしぎに思えた。

しかし、亡くなったと聞いたことに関しては、聞いてよかったって思えた。
そう聞いたほうが、これから先の自分のきもちをおちつける方向がはっきりするから。

まったく眠たくならなかった。疲労すら感じなかった。
缶コーヒーをすすり、たばこをふかし、車をただ走らせた。

なにかに突き動かされるように、なにかに駆りたてられるように・・・
現実感はしっかりしているのに、自分ひとりの力だけで車を走らせている気がしなかった。

岩手に入ったあたりで夜が明けた。
朝日がまぶしく、道路は多少凍結し、あたりはうっすらと雪化粧をしている。
前日は夜のお出かけだったのに、なぜか出掛けにバッグに押し込んだサングラスをとりだした。

タイヤははきかえたばかりだったが、ノーマル。
途中で大雪にでもみまわれたらもちろん引き返すつもりだったのに、ここまで来てしまった。

ほどなく、私がかつて住んでいた街に着いた。
懐かしくも・・・あの頃とは違うどこか華やかで整った景色。
自分の住む街にもある、あの頃のこの街にはなかったコンビニやファミレスもある。

こんなに遠い地なのに、確かに道は繋がっている。
そんなあたり前のことを感じていた。

その街に「ただいま」・・・って声をかけた。
この地を二度と踏むことはないって思ってた。

国道から市街地へと続く細い道に入りこんでいった。
見覚えのある建物と新しい建物が混在していて、なんとも不思議な光景だった。

私が住んでいたその街には、とてもおおきな繁華街があった。
雪が降っていようがどんなに寒かろうが、客はたくさん歩いていてとても賑わっていた。
この街を派手に着飾って、夜毎歩いていた昔の私。
こうやってあらためて見てみると、とてもちいさな街に見えた。
朝までやっている目的地のお店。もう外では住人がふつうの生活をはじめている。

お客さんが帰ったばかりのお疲れのところにおじゃまして、私はひとりでどんどん話をした。
相手は、あの人がその頃働いていた店にいた人。
私は自分の店がはねてから、彼の店のカウンターで仕事があがるのを待っていた。
この人ともずいぶんたくさんの時間を過ごしたもんやった。
迷惑をかけたこともお世話になったこともたくさんあった。
あの街を出てくることは、当時のアパートの保証人となってくれていたあの店のママにしか伝えてこなかった。
たくさんの人にお世話になったのに、他の誰とも挨拶も交わさずそのままとびだしてきてしまっていた。

こうして、あれからもう私たちは・・・倍近くの年月を離れて過ごしていた。
相手はどう感じていたかわからないが、私はすっかりあの頃に戻ったような勢いで話をしていた。

だいたいのことを一気に話した。
話し終えた私は、なぜかすっきりしていた。
ひとりで好き放題べらべら話して、もうだいじょうぶだからって席を立った。

何年経っても・・・ほんといつも身勝手でごめんなさい。

あの人と住んでいたアパートがまだあると聞いて、ちょっと寄り道をしてみた。
大きな病院のほど近くにあるそのアパート。
私たちが入居したときには新築だった真っ白なアパート。
左側の階段を昇った二階の右側が私たちの部屋だった。
あの人はいつも大急ぎでその階段を駆け上ってきていた。
そんなに慌てて帰らなくても、私はどこにも行かないのに・・・ってちょっと笑えたものやった。
そんな足音すら響いてきそうなくらい、その場はそっくりそのまま残っていた。

国道までそのまままっすぐ抜けて、青空を写メにおさえた。
あの頃、冬のこの街で・・・こんな青空見たことあったっけ?
いま自分が住む街よりも、あたたかく青く見える空をしばしぼんやり見上げた。

別れることになった、あの22才の誕生日の日。
私は、新幹線の中でずっと空を見ていた。
こんなに離れた土地だけど、こうやって空は繋がっている。
ときおり涙でかすんだ、あの夏空・・・。。。

どんよりと薄暗く、たまに小雨が降り、新幹線の窓に音をたてて当たり流れていった。
どす黒く深く垂れ込めた夏の雲が、私のこころをより一層重苦しくさせた。
隣に座っていた父も、なにも語らなかった。語れなかった。

そんなことを、ふと思い返していた。

20070111_215976.jpg

日が落ちないうちにとにかく仙台までぬけないと・・・我に返って車をそのままUターンさせた。
やはり、疲労感はまったくなかった。もちろん眠気もまったくない。

途中で家族に電話をした。
心配で一睡もしていないと言う。
電話してくれればよかったのに・・・そう思いながらも、そのまま車をとばした。

家族には中途半端に話しても伝わらないと思い、過去のことを含めてすべて話した。
かなりびっくりしていた。私もこんなことでもなければ話すことはなかったと思う。

仙台に入った頃、夕日があまりにまぶしくて車を停めて仮眠をした。
30分ほどして目が覚め、またそのまま車を走らせた。
ほどなく日が暮れた。日がおちて運転がしやすくなった。
途中、萩の月と笹かまをみやげに買った。
そんな観光気分はまったくなかったが、手ぶらで帰るのがどことなく心苦しかった。

家についたのは、ほぼ24時間後の1日の日付をちょっと過ぎた頃やった。
車のメーターは950キロとなっていた。

帰ったらおい森の水やりもしてくれていたと聞かされた。
そやな・・・おい森での日課もすっかり忘れていた。
数本枯れた花もあったが、そのきもちがうれしかった。

私のこんな突拍子もない行動を責める言葉はまったくなかった。
いままでこんなことをしたことなかったから、よほどのことやて感じたのかもしれない。

そして・・・この正月は、なぜかいつもよりも穏やかな正月を迎えることとなった。

帰ってきてから、ふしぎとお酒がのみたくなった。
ほとんどのめない私なんだが、あの頃は仕事柄もあってかなりのんでいた。

すごくひさしぶりに、お香やキャンドルなどを買ってきてみた。
一時、部屋にお香を焚き染めていたときがあった。
忘れていたが、この人の初めての娘の一周忌を終えてお線香をお香にかえて焚いていたことがあった。
あの人とお香を選び、娘のために焚き染めていた。また会えますようにって祈りながら。

この人に限らず、いろんな人が先に逝った。
あの街に住んでいた頃だけでも、3人の友人恩人を事故や病で見送った。
先に逝った人たちを偲んでみたり、心をおちつけるのにもいいかと思って。
あの頃より穏やかになった香りのお香が、私の部屋にほのかに香っている。

すっかり忘れていた記憶がいろいろ蘇った。
あの人と一緒にかまくらを見にいったことも、初詣に中尊寺へ行ったことも、あるきっかけで突然思い出した。
人間・・・忘れたいって強く願うとほんとに忘れちゃうんやな・・・ってあらためて感じた。
でも、こうやってふとした瞬間にすべてが鮮明に蘇るってことは
心のどこかに無理に押しこめていた証拠なのかもとも思えた。

亡くなったと聞いてから、やっぱりしばらく気になった。

亡くなったと教えてくれた方をもちろん信用しているが
しばらくしてから、ほんとなんだろうか?と思えてきた。

あの人の本籍地となっていた兄の住所もどこかに保存してあった。
兄弟にはなんども会っていたし、たぶん相手も覚えているはず。

しかし、その書類を出してきて確かめようとは思わなかった。
どんな確証を得ても、そのきもちは消せないような気がした。
そういう意味で湧き上がったきもちではないような気がしていた。

ただ・・・
亡くなったって現実を受けとめたくなかったように感じた。
この人が、別な意味で「永遠の存在」となってしまったってことが・・・どことなく怖かったのかもしれない。

途中まで書きかけたこの人との追憶の記録。。。
私は大事なことに気がついた。

私はこの人に詫びていなかった。
あんな酷いことをしたのに、ちゃんと詫びたことがなかった。
あんな酷いことをしたのに、あの人はほんとうに優しくしてくれていた。
あの頃の私は、そんなことにも気がついていなかった。

相手が私をたいせつに思っていたきもちや行動・・・そんなことが思い返されて、激しく申し訳なく思っていた。
あの頃の私は、たしかにあの人に深く愛されていた。
あの頃の私は、ほんとうに幸せだった。

いまさらそんなことに気がつきはじめていた。
気がついて、私は強く激しく堕ちた。

気がついてすぐは、いまからでもこのことを相手にちゃんと謝りたいと思った。
だけど・・・それは自分ですぐ打ち消した。
そんなんしたって、私の自己満足にしかならないのだから。
そんなんしたって、あの日々はなんもかわらんのやから。

しかし、気がつけて・・・まだよかったと思う。
記憶を辿って書き綴ってみて、ほんとよかったと思う。

別れたあとは自分の苦しさだけから逃れるために、ただただあの人を忘れたいって一心だった。
なりふりかまっていられないほどのつらさだった。

実際、ほとんどのことを忘れてしまっていた。
特に、楽しかった思い出は記憶からすっぽり欠落していた。

こうやって・・・この人との記憶は、苦しい思いをした場所だけがいつまでも残っていってた。

そして・・・私は、あの人との日々を誰かに語ったこともなかった。
私の中のあの人は・・・まるでなかったかのようになってしまっていた。

あの人が逝ってからずいぶん長い年月が経っている。
あの人を呼び出したのは私?
あの人が言いたかったのはなに?
あの人はいまどこに?
あの人はまた来るの?

なんでいまこうやって出てきたの?
もしかして・・・ずっとそばにいたの?
私がまったく気がついていなかっただけだったの?

よくはわからないことだらけだが、そのうちなにかわかるかもしれないし、わからなくてもいいだろう。

あのときこの人が来なかったら、あのときこの人が来るのが数分遅れていたら
私はここでこうやって呟くことも、追憶することもなかったであろう。
まちがいなく先に逝って、あの人そっくりなかわいい娘ふたりとあの世にいたに違いない。

このあと、この人にとても似た人に運命的に出会い、またも命拾いしたことも
こうやって思えば、なにかしらの力のようなものを感じざるをえない。

だいじな人がどんどん先に逝ってしまい、生きる希望や価値観のやや薄い私がこうやって救われてまでして残る。
そしてこうやってたまに追憶をする時間を送る。。。
こんなことも、きっとなにか意味があるんやろ・・・とふと考える。。。

あの人とおなじく死の予感のあった父を間近に見ていて、ふと思っていたことがあった。
人間、感謝のきもちを掛け値なしで相手に告げられるくらいまでならんとあちらにはいけないのかもしれないと。
最期の時間の父は、ほんと生き仏のように穏やかな顔をしていた。
ごく些細な、家族として当然なことをしても両手を合わせて「ありがとう」と言っていた。

そして逆に「生きる」ってことにひどく執着をしていた。
一日一秒足りとも、どんなことをしても長く生きたいと願っていた。
しっかり「死」というものを受入れつつも、最期の最期まで生きていた。はっきりとした意思をもっていた。

さいごに・・・

いまの私は、たぶん穏やかに過ごしています。
悲しみに暮れることはそんなにありません。
ただ・・・ほんとうに忘れてしまっていたことが、なにかの拍子に鮮やかに蘇ってくるときに
ちょっともの想いにふけることがあります。
そんなときは無理にそこから離れずに、時間ときもちに余裕があればひたってみるようにしています。

そして・・・

たまに、あなたは感受性が豊かだから・・・とか言われることがありますが
それも、だいぶ鈍ってきた感じがしています。
なんでかというと・・・自分の行動や考えかた・・・そんなんをかなり無理に抑えようとしてきたからで
一時の私は、ほぉんと好き勝手に生きていた。自分のきもちのおもむくままにね。

誰かに迷惑をかけない程度にだったら、もうちょっとのびのび生きてみたっていいんじゃないかって、いまは思ってます。
とにかくあとで後悔しないように、行きたいところには行って、会いたい人には会って
お世話になった人にはちゃんとお礼をして・・・
昨年あたりから特にそう思って、行動をしはじめていたところでした。

余計な感情をのせずに、事実だけを淡々と書くつもりだったので
思い返して書いた文章を公開するかどうかは、あらためて考え中です。
できれば公開したいんですけどね・・・できるかなぁ・・・。

長い文章を読んでいただいてありがとうございました。
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