保険 アリコ

moon in the noon

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18回目の命日

さて、いよいよ決行だ!と朝からしたく。
ものすごくめずらしく母親に声をかけられる。
もしや、、、やっぱりお墓参り行くって言うのか?

と思えば
休みをあまり取ったら悪いからお墓参りは次の次のお休みの時でいいと言う。
今日は窓拭きをするといい、窓用洗剤をガタガタ探しだした。
意味はわからないが、とりあえずホッと一安心。
母親に怪しまれないように、仕事の時間内に行って帰るつもり。

行き先は芝公園。
何度も何度もGoogleマップで見た。
頭の中にイメージはすっかり出来ている。

電車は土曜だっていうのにとても混んでいる。
父がこの電車に乗って通っていた頃は、駅に、お客さんを押し込める駅員さんがいた。
朝暗いうちから出かけていたのは、もちろんその混雑を避ける意味合いも大きかったであろう。

父はダイヤグラムで電車を探していたが
今は携帯でタイムリーに探せる。
路線を見ていたら、途中、大手町があった。
ここは父親が元々通っていた街。
どうせまだまだ時間はある。
急遽、途中下車した。

スマホで通っていた庁舎を探す。

 

・・・遅かった。
もう再開発で変わっている。

 

出口は地下で経路が検索できず

完全に勘だけで出た。

 

 

 

跡地のほど近くに出られた。

 

びっくりするくらい超高層ビルが立ち並び
官公庁の街のイメージは全くなかった。

 

すぐ近くに皇居。
行った事は無い。
父親は行った事あるんだろうか。

 



外国人観光客であふれかえっている。
私はひとり。ぶらぶらと人混みに混ざる。
思った以上に街中で、思っていたよりはなぜか狭く感じた。

 



皇宮警察の手荷物検査を受け、中の庭園へ。
あら?あったかいから狂い咲き?

 



ちょびちょび咲いた桜を見たら「じゅうがつさくら」と書いてある。

初めて聞く名前。

あ、ちょっと待って、もしかして、、、

周りを見てみたら、木や植物にすべて名前が書いてある。
その名札がいつからあったかはもはやわからないが
父は植物の名前にとても詳しかった。
どんな木や草でも名前を知っていた。
私もそんな父のように物知りになりたくて子供用の図鑑を絵本のように読んでいた。
美しく整備された庭園をのんびり歩き、美しい空を仰ぎ
父もこうやって自分だけの時間をきちんと楽しんだだろうかと想いを馳せた。

 

 

 



庁舎跡地の目の前には駅へつながる真新しく広い入口があった。
せっかくだからと、跡地をぐるりと一周した。

ほぼ一周したら、さっき私が勘だけで出てきた古びた狭い通路があった。


父が使った出入口は、もはやどこかわからない。
それどころか、ほんとにここが跡地かも正直わからない。
でも、大手町に通っていたのは事実で
もう、それでいいと思った。


目的地の芝公園へ向かった。

 



Googleマップで何度もシュミレーションしてた芝公園。
出入口ももう確認しなくてもわかる。


表に出て見ると想像以上に東京タワーが間近に見えた。

 

 

お父さん、やっと来れたよ。

つい、話しかける私。

 

さっきの大手町とは違う。

昔から変わらない光景と思わせるような落ち着いた街並み。

公園ではめいめい人々が休日を楽しんでいる。

私もベンチに座り、途中で買ったおにぎりをほおばった。


お父さん。そちらの世界にもニュースはありますか?
東京タワーからはもう電波は出ていないんだよ。知ってた?
お父さんはとにかくニュースが大好きだったね。
私の息子もニュースが大好きだよ。
生きていたらいろんな討論が出来たんじゃないかな。
でも、残念だけど、仕方ないね。
見守っててくださいね。


もっと早くここへ来てみたかったよ。
命日に会社を休んだのは初めてだよ。
そんな事したらお父さんに叱られると思ってたよ。
この日は祝日だけどこんなにどこも賑わってたの?知らなかった。
それにしても今日は暖かいね。いい日だね。

すぐ近くに見える東京タワーに導かれるように歩いた。
家族連れが写メを撮ってる。
知らないアイドルが歌い踊り、ファンが静かに応援する。

 

 



若くして職場で倒れ、そのあと突然死してしまって

思い残した事はないんだろうか。
やり残した事はないんだろうか。
父親は幸せだったんだろうか。
と、あれこれ浮かんで、ずっとずっと引っかかってた。


でも、もうこんなに年月が経ってしまって

こうやって懐かしんでるのは私だけで
父親は、とっくにこの世に未練など無いと思った。


心残りが、もしその時あったとしても

父親は、もうどうってことないって思ってるって感じた。


世の中は変わり過ぎてる

何もかも変わり果ててる。


私がこれらの地に降り立つのは初めてだが
周りを見て、いろいろ考えて、そう感じた。

短命の父の家系。
父の後を追うようにそちらへ行ったすぐ下の弟。
父よりずいぶん前になくなったお姉さん達。
40くらいで肺癌で亡くなった私のいちばん上のいとこ。
そちらはずいぶん賑やかになっちゃいましたね。
こちらではずいぶん仲違いもあったと聞いています。
そっちの世界では争い事や憎しみ事がなければいいんですが。
そんな事が全く無い世界であるようにと、私は願っています。

なんとなく歩きたくてそのまま道路標識見ながら
麻布、六本木、南青山、渋谷と走破。
走ってないから歩破?
それぞれの街が個性的で、意外と生活感があってよかった。
特に南青山。こじんまりした古めな建物でそれぞれがお洒落で凝っていて。
初めて来たけどまた来たいって思った。建物散策で(笑)

六本木ヒルズでお茶して。
ヒカリエをうろついて。
すごく歩いたけど疲労感は全く無し。
お父さんもね、ほんとよく歩く人だった。

もう懐かしんでここへ来ることは無いと思う。
正直、今はGoogleアースってやつで世界中をいつでも好きなだけ見られるんだ。
ただ、そこへ降り立たないと生じえない気持ちっていうのがあると思うんだ。
それを感じて、置き去りにしてしまっていたあの日の私を救い上げてきたかったんだ。


私は大丈夫。
私は今をちゃんと生きてる。
顔向けできない事など無い。


私に残されたこちらの時間はどれだけあるかわからない。
でも、そっちでお父さんに会うその日まで。
自分を大切に。
息子を大切に。
母親を適切に。
扱うことを誓うよ。

晴れて暖かで気持ちの良い日でよかった。

ほんとよかった。

 

 

 

 

 

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